リバネス流の「コミュニティ」の作り方

   

今日はコミュニティ作りをお題に異業種交流的なブレスト大会に参加。

リバネス流のコミュニティ作りについてエッセンスを抽出しながらその場にコミットしてきた。

ビジネスをやる上でコミュニティ作りというのは切っても切れないものになりつつある。特にBtoCなサービスを展開する人たちについては大きな感心事で、ソーシャルメディアの拡大というのも大きく貢献しているなと感じる。

ちょっと話がずれるのだが、本日の昼前にデスクで仕事をしていると、社員の徳江から「PanSci見て台湾からリバネスを見に来た人です」と言われて人を紹介された。PanSciについてはここに書いている>リバネスという小さな会社に、台湾からの求職者が現れる理由

休暇で4日間の日本滞在のうちの数時間を割いてリバネスに訪れた客人が言った言葉が耳に残る。

「なんでこんなにリバネスに人が集まるんですか?」

50人弱の人数になったリバネス。理念は「科学技術の発展と地球貢献を実現する」。11年前は教育サービスしか提供出来なかった私達がなぜ11年間成長を止めずに進むことができているのか。そんな事を問われたような気がした。

リバネスは残念ながらマスでは無い

11年経ったとは言え、マスメディア的な影響力は持っていない。どちらかと言うとニッチだ。someone教育応援という情報発信ツールを用いて教育現場へのネットワーキングを強めてきたり、実験教室や教員研修というFace to Faceな関係も維持し、ナマの声を拾い上げていたり。

研究現場ではincu-beやBio-Garageというメディア展開、リバネス研究費という若手研究者支援の仕組み、研修サービスの提供。超異分野学会というコミュニケーションの場。

思えばリアルな繋がりとメディア展開を並行してやってきた気がする。

コミットメントと発信

本題に戻ると、リバネス流のコミュニティの作り方だ。

最初のリバネスは情報発信から始まることが多い。メディアを作るという行動を伴うことによって、実は誰よりも現場に詳しくなる。いろんなベクトルからのニーズを一身に受けることになる。コンテンツ作りとは取材から始まり、発信されるのだが、リバネスが行なっているのはただ取材して発信するという事ではなく、関係者からの話しを聞きながらニーズを引き出し、それをお互いにミックスするというものが多い。

加えて、リバネスはコミットメントを求めている。若手研究者であれば熱量のある人達をいかにスクリーニングするかを考えている。教育現場も同じで、やる気のある先生を如何に引き上げるかを考える。その為にはコミットメントが必要だ。ただ情報を受け取るだけの人よりコミットメントがある人を優先している。

コミットメントは発信に繋がる。自分がやったことは誰だって自慢したいのだ。自慢までとは言わずとも、あれに関わっているんだよという話はしたい。リバネスとしても、そうなるサービスを提供したいと思っている事が少なくない。

someoneは最近、someoneファンクラブという仕組みを始めた。中高生のコミットメントは誌面に対する感想や、誌面を構成する為のネタに関するアンケート回答というものになっているが、そんな中高生たちに向けてはサイエンスに関するイベントへ無料参加という形をサービス化している。

将来的には、もっと中高生がsomeone誌面の主役になっていくだろう。彼らが何を考えているのかがもっと表現される。サイエンスという切り口で何が表現されていくのかが今から楽しみでならない。

参加した証と発表の場

ただコミットメントと求めるというのはフェアではないと思っている。

コミットメントをしてくれる人たちには、何かの報いが表現される事が好ましいとも思っている。

研究者的にわかりやすいのは学会だ。リバネスの人は100%通過しているが、自分の研究成果を発表するという場がある。コミットメントしてくれた人たちが何かを発表し、それに対してレスポンスが還っていくようなものも、リバネスのコミュニティ作りのエッセンスだったりする。

教育CSR大賞なんかはその最たる例かもしれない。教育CSRを提供する側と、それを受ける側(教育現場)を結びつけ、評価が得られる。企業がやっている教育CSR活動を先生方が知ることが出来るというのは教育現場にとってメリットであるし、熱量の高い先生方からの評価は教育CSRをやっている側にとっても大きなメリットとなり得る。

成長を見守る

参加していく中で、その人自身のレベルが上がっていく。それだけのものを提供し続けるというのもリバネスのチャレンジだ。色々な講座をやっているが、最近ではロボット教室バイオ教室を小学生向けに展開し、彼らを成長させていくというチャレンジを行なっている。

まさに教育というフィールドではあるが、こういった連続教室の中から得た教訓を活かすことも可能になる。

連続的に何かに参加するというのは物凄いコミットメントだと言える。一般的にふらっと立ち寄る人を増やしたいという漠然としたターゲット層を掴みたい人からすると、難しい課題になる。しかし、そこについてもちょっとした答えが垣間見えたなという感じ。

成長をお互いに見守る。それをコミュニティとする。そんな事ができると思う。

他にも色々

止めどなく色々と書いてみましたが、11年間のリバネスという活動の中で僕から出てくることの一部を晒してみました。もはや僕なんてリバネスの2%程度の存在でしかないということは、まだまだいろんなアプローチが社内にはあるんだろうなあと自らを振り返ってみて思う訳です。

あ、お仕事待ってます

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