衰退しゆく町工場が高齢化の一途な訳
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町工場の調査が始まって一ヶ月半が経ちました。訪問した町工場の数は1000社を越え、日々色々なデータが集まってきています。
町工場というのは、家族経営の事も多く、今では高齢化が著しい業態です。60歳なんていうのは若い方に入るのだと真顔で言われますから。
なぜそうなるかというと、職人さんは手に職という形で商売をしていますから、身体が動けば出来ちゃうんですよね。高齢化ということになれば、ビジネスもそれなりの期間できている訳で、発注量が先細ってきていたとしても、まぁ付き合いだし仕事は請けるよというパターンが一つあります。
こちらについてはどちらかと言うと前向きなベクトルでしょう。
一方で、辞めたいけど辞められない事業者もいるんですね。
例えば事業でまだ借金が残っているパターン。実際、町工場の本業については開店休業状態。仕事も来なくなって久しいのに廃業が出来ないという場合があります。こういう時は、屋号としては残ったままにして、自分自身はアルバイトをして食いつなぐ。そんな人達がいます。高齢化はなるべくしてなっている。
年金額もそれほど大きくない為に、アルバイトをしないと食べていけない。そうなると、食い扶持になるのであればということで屋号をおいたままにする。事業者本人が亡くなるまで廃業届なんて出しませんから、社会的なデータとしてそれを真に受けてしまうと、製造業者がどの程度生きているのかという事を見誤る。
社会保障みたいな部分については、知識格差も大いにありそうな気がします。町工場の職人さんたちは、「老後」という感覚で生きている人はあまりみません。(本当に高齢で身体が動かない場合は別ですが)
生涯現役が当たり前な世界で生きてきた人たち。ちょっとした闇が潜んでいるような気がします。そういう所には不満が鬱積するものです。