「50代リストラ多く再就職も厳しく」から読み解くもの
企業の人員整理などで退職を余儀なくされた5万人について、厚生労働省が調べたところ、50代後半が最も多く、1年以内に再就職できた人は39%にとどまっていることが分かり、厚生労働省は「職業訓練を充実させるなど、転職支援を進めたい」としています。
リストラ後に転職が決まるかどうかについての報告ですが、50代後半で再就職できた割合がわずか39%と、厳しい状況です。
去年3月までの半年間に退職を余儀なくされた人は全国でおよそ5万人に上り、▽50代後半(55~59歳)が最も多く20.6%、▽次いで50代前半(50~54歳)が16.3%、▽40代後半が14.4%でした。
その後、1年以内に再就職できた人は、▽20代前半では76.6%だったのに対し、▽40代後半では59.5%、▽50代前半で52.2%、▽50代後半では39.1%にとどまっています。
2012年3月までの半年間(ということは2011年9月〜2012年3月ですかね)でのリストラ対象者は5万人。震災後ということでその影響もありそうです。地域性がわからないのでなんとも言えないのですが、被災地も含まれていたりするのでしょうか。
何れにしても、高齢者になればなるほど再就職が厳しいという事です。それは何故でしょうか。
私自身は最近町工場について色々と調査をしています。うまくやっている事業者もあれば、そうじゃない事業者もいます。つまり喰っていける、いけないの差が歴然としているのです。その理由の一つに、新陳代謝の欠如があります。
技術やビジネスモデルの刷新がうまく行っていない。そもそもそういう頭がないという事業者が、うまくいっているという事は稀です。伝統工芸品みたいなものは人間国宝になるまで上り詰めるという方法があるのですが、工芸品や芸術品ではない工業品を作っている事業者には、技術だけを突き詰めてもうまくいきません。
時代の流れに乗るためには、自分を変化させ続ける必要があるのです。
会社という単位ですらそうなのですから、個人についても同様な事が言えるでしょう。ニュースの文中に、
「職業訓練を充実させるなど、転職支援を進めたい」
と書かれているのですが、こういうことが出来る(つまり、自分をアップデートさせることが出来る)ような人は、職にあぶれてはいないんじゃないでしょうか。
逆に言うと、そうではない人が職にあぶれている為、職業訓練に対する受容性も低く、学習効率がものすごく低い人達の塊になる可能性があります。ちょっと怖いですね。
私ならこうする
高齢化するにしたがって再就職が難しくなるというのは、容易に想像がつくのですが、そもそもリストラ対象者になるようなマインドセットというものがあると思います。
自らをアップデートし続けていけば、市場にニーズはあるでしょう。
自分の殻に篭もり、自らの進化を止めてしまった場合には、社会からドロップアウトしてしまうのも仕方がないのではないでしょうか。自戒を込めて。