「ダッシュ島」に見る、日本のサバイバル立国
昨日、鉄腕ダッシュのダッシュ島という企画を、ひやおろしを飲みながら見ていたのだが、あれが楽しそうに見えるのは何故なのだろうと考えた。
ベクトルとしては、軍艦島の探検と同じ方向性なのだろう。(※軍艦島についてはGoogle画像検索だけで楽しめると思う)
日本人(特に都会の人)は、あまり廃墟というものに触れる機会が無い。
軍艦島もダッシュ島も、かつてはそこに住む人がいた場所だ。
数十年前に打ち捨てられたその集落に分け入り、時代の変化を楽しむこともできるし、無人のその場所にどこか不気味さを感じながら探検するという事が楽しいという気持ちは何となく分かる。
こういった集落は今後増えていく。自治体は、そうならないように努力を続ける組織にだんだんと変わっていっているし(昨日の空き家条例についての話を参照)人間が増えていないのだから仕方がないだろう。この100年でかつて5000万人程度だった人口が1.2億まで爆発的に増えた。それに伴い、日本人は居住地の幅を広げた訳だが、今後100年で6000万人程度まで人口が減少するのだから、人口という意味ではほぼ100年前まで遡ることになる。そうなると増えるのは何かというと、「打ち捨てられた集落」にほかならない。
きっと空き家条例どころではないのだろう。一帯の集落が無人になり、廃墟と化す。これは仕方のない事だ。しかし、それも悪く無いのかもしれないなというのが冒頭のダッシュ島を見ての感想なのである。
(ここからは、危険性というものについては、自己責任だよという暗黙の了解で頼む)
人里離れた集落。そこに行くための道路も保守されず、アクセスが非常に悪い。当然電気も水道も無く、夜は暗闇に覆われる。そういう街に、実は人が集まったりするのではないかと思うのだよね。
それは非日常感へ繋がっているからだろう。
例えばダッシュ島やダッシュ村のように、集落を作ってしまおうという動き。
例えばサバゲーに見る、遊びの拡張。
きっと、打ち捨てられた集落というものは、ほっとけば破壊衝動に駆られた誰かによって破壊しつくされてしまうのかもしれないし、大半はそうなってしまうのだろうが、それを楽しむという方法もあるのだろうと感じる。幾つかは前向きに残って欲しいな。
最近Wiredに掲載された記事に面白いものを見つけた。
破綻都市デトロイトをスタートアップが救う!コミュニティ再生の鍵は「民間」にある
夕張と同じく、アメリカで巨大な損失を抱えて破綻した都市デトロイトに、面白い企業が集まってきてるよというものだ。
完全に打ち捨てられてしまう前に、逆境を楽しもうとしている人たちが集まっている。こういう動きもきっとあるだろう。かつて隆盛を誇った都市の死に際に起こりうる事だと思う。
今までの政治に囚われずに生活をしたい!なんていう人たちもきっと現れる。
それが統治の再発明になるのか、イノベーションを生むのかは分からないが、歴史に学び、新しいアプローチを模索する者がきっと現れる。(極端なことを言えば、国内に法の統治が及ばない部分が出てくるだろうという事だ)
かつてインフラがあった街がいくつも残っているというのは、色んなチャンスを与えてくれるのかもしれない。
そういった街を積極的にアピールしてサバイバル立国を目指してみるというのはどうでしょうね。従来型の統治ではこの土地は守っていけませんと割り切る集落の最初の候補地はどこなんだろうな。夕張がどうなるかは気になるところです。