Salesforceの導入から26ヶ月が経った導入担当CIO視点の話

      2016/12/22

前回:Salesforceの導入から20ヶ月が経った導入担当CIO視点の話

Salesforce関連のpostはこちらを参照

半年経ちましたのでその間の話を。ちょうど年度末が締りその結果報告も兼ねて。

テラスカイさんに開発を頼んでみた

2年も使っていると、根本的に変えたいなみたいな部分が出てきます。日々のルーチンとして当初想定していたやり方ではどうにも効率が悪い、そんなことがあります。結果もそれなりに出てきたこともあり、改修内容によってどれだけ楽になっていくのかが見えたこともあり、アップデートをテラスカイさんにお願いしてみた。

仕事の内容としては、非常に迅速な進め方をして頂き、感謝という感じでした。

Salesforceの開発に限らないですが、仕様を詰める段階でそれなりの理解が求められる場面があるため、どうなるかなと思ったのですが、今のところ持っている知識でなんとかなったので安心。(担当者の理解力不足で苦労するパターンもあるようです)

Backlogを使ってやり取りをしたのですが、わかりやすくて良いですね。ToDoの取りこぼしが消えるので僕は好きでした。(社内導入の話をしたら、ツールの学習コストを嫌ってCOOにはねられてしまいましたけど。まあこういうのはタイミングですね)

そんな訳で、あまり苦労することもなくフィニッシュ。満足度高かったです。

名寄せが進んだので、リスト作りが瞬時に終わるようになった

導入時に一番苦労したのが名寄せです。9ヶ月目の悲痛な叫びはこちら

その後、顧客情報のみではなく、社内で使う諸々の情報をSalesforceに統合しました。

リバネスでは色々なフリーペーパーを配布しているのですが、そのリストなんかもやっとSalesforce上に乗りました。

これによって必要なリスト作成なんかは一瞬で終わり且つ、Salesforceのレポート機能を使って作るのでミスが減りました。昔はリストを作る担当者が変わると、必要な顧客情報が無い状態でリスト作成してしまって死ぬなんてことがありました。

会員情報を直結させることが出来た

someoneや教育応援といった教育現場向け冊子や、incubeや研究応援といった大学向け冊子を学校向けに発送していたりするので、年度末には必ず退職後の返送物が多かったりするのですが、配送解除用のフォームを作り、フォームからのアップデートをAPIを通じてSalesforce側にupsertするように出来るようになったので、それなりに作業量が減りました。

リストのSalesforceへの反映後に固有のIDを振り、それをSalesforce上で外部IDとして参照出来るように設定しておくことで解除フォームを作ることが出来るようになります。Salesforceの固有IDは無駄に長いので使うのには微妙です。セキュリティ的にも好ましくない気がします。適当に予測してもまずは当たらないであろう十分な桁数のIDを作りましょう。

Web上から様々な言語でAPI叩く事が出来ますので、その辺りを習得すると一気にやれることが増えるんじゃないかなという気がします。(マスターレコードを書き換える事になる場合は、セキュリティにはくれぐれも注意しましょう)

リバネスでは、色々なサービスが走っていますが、登録制のものが少なく有りません。

実験教室等のイベントに始まり、最近ではテックプランター周りで行われる各種グランプリへの登録、リバネス研究費の申請なんかもサイトを通して行われます。

これまではPardotのフォームを通して登録が出来るという一方通行のデータの流れのみだったのですが、会員サイト化することで、登録者が自らの登録情報を随時更新出来るように変更しました。

今までは申込者の情報が申込時のタイミングのままに放置されがちで、リアルタイムに更新するという事が難しかったのですが、会員数も増えてきて手作業ではもう無理なタイミングになってきたので、良くワークしていると思います。

GoogleカレンダーとSalesforceの行動を同期する

Googleカレンダーの予定をSalesforceのEventに同期する[PHP]<続編>

前回Rubyで作ったのがGoogleAPIの更新で動かなくなったので更新。Salesforceの更新はtalend使ってやっていたのですが、大分中身への理解が進んだのでそのままPHPで実装しました。コードシェアしてあるので必要な人は使ってやってください。(随時更新する予定です。直近では、Googleカレンダーで招待された後に、出席辞退をしてもSalesforceのカレンダーに残ってしまうらしいのでそいつを何とかするつもり)

行動が同期されたので、毎日のスタッフのスケジュールをメール配信出来るようになった

Slackにその日の行動を共有するチャンネルが作ってあるのですが、毎朝そこに全員のスケジュールを投げる事になっています。

今までは手打ちだったのですが、行動情報が同期されたので、cronで情報を取得して整形してメールするみたいなことが出来るようになりました。

(と、ここまで書いて、そんなことせずにGoogleカレンダーからその日のスケジュールを直接取り込んでメールで飛ばせばいいじゃないかということに気付いたのは僕です。そうしよ…)

プロセスビルダーとフローの使いこなし指数が上がった

以前こんなのを書きました:[Salesforce]行動ではメールアラートが使えないという課題を解決

これの上位スキルが身につきました。

特定のキーワード等を使ってレコードを検索(例:商談等)し、検索結果のレコード情報を配列(Sオブジェクト)に突っ込んで、ループで回して全件の商談名を取得したリストを作成してメールで送信、みたいな実装をしています。

これが出来ると、結構色んな事ができるようになります。

商談を適当なカスタム項目を作って連結出来るようにしておいて、それの一つが更新されたら更新内容を連結された他の商談にも反映させるなんてことが出来たりします。リードや取引先担当者でも同じですね。

Slackとの連携がもっと便利になった

問い合わせが来たらmail to Caseを使ってSalesforceのケースに取り込まれるようになっているのですが、これがSlackにメールで飛ぶようになっています。

ケースに対応した結果が顧客等から返信として入ってくると、その通知はケースの所有者にしかいかないのですが、先に書いたプロセスビルダーでメールでSlackに配信する設定をすることで全員がやり取りを見ることが出来るようになっています。

これは一例なんですけど、プロセスビルダーを使いこなせるようになると、色々な事をトリガーにしてメール送信が出来るので重宝しています。

情報を取得しやすいようにしておくというのは組織運営においては非常に重要で、それが出来ていれば賢い人が勝手に何かできちゃったりするので非常にコストが下がります。

二度目の決算期を迎えて

一度目の決算期は、Salesforceの使いこなしが甘すぎてかなりばたつきました。

商談の二重計上が発覚したり、税込み・税抜きの計算ロジックが間違っていて最終的な計算が変わってしまったり本当に死ぬかと思った。

一年目の失敗を踏まえて対応した事もあり、今回は最終売上の確定にバタつくことはさほど無かったように思います。マジでよかった…

弊社のマネージャー陣にも、Salesforceを使ったマネジメント術が板についてきた事もあり、非常にスムーズな年度末だったと思う。一年前は、あると思っていた商談が続々となくなっていって、想定していた売上からガンガン削られていくという事態が発生し、お葬式状態になりましたからね。

取引先の分析が容易になりました

二年分の取引履歴がデータとして格納されたので、前年度比が分かるようになりました。

今年の成長要因は何だったのか、なんてことが瞬時に分かるのは素晴らしいことだと思います。

もちろん前年度比でマイナスになった取引もありますのでその傾向なんかも把握することが出来るようになります。ウィークポイントが把握できるようになれば、何かしらの打ち手を考えることができるようになるという事です。

本当のSalesのforceはここから効いてくるだろうなと思ってます。

新入社員への導入ハードルが下がった

二年分のデータが入っています。どこの誰にどんなことを提案してきたのかというデータがそこなります。

今までは、自分の営業先を開拓するとか、自分の提案をどこに持っていけば良いのかを考えるといった場合に、先輩の情報が必要でした。

それが、取り敢えずSalesforce上で検索すればそれなりのデータが返ってくるし、わからないことがあれば所有者情報をみてその人に聞くことが出来ます。

新入社員は新しい仕事を覚えるのに加えて、自分のお客様を開拓するという事が最初のToDoになっていたりするので目的が明確。ここで調べるのが一番早いよという訴求と内容がマッチするようになってきたのが良かったみたいです。

総括

二回目の年度末を乗り越え、いよいよこれからだぞというタイミングになってきました!

データがきちんと蓄積されていくと、それに伴いやれることが確実に増えていくということを実感しています。

今現在については、人材情報の蓄積を進めており、8月に実施される社員面接での活用を睨んで検討を重ねているところです。有用な使い方があればいいな。

色々と書きましたが、出来る限りスタッフのやることを削り、ストレスを軽減する為の施策は必要です。出来ることはガンガン自動化して、本当に必要なことのみに洗煉しましょう。そうしないと現場が疲弊しちゃうからね。

次回は半年後の後進を予定していますが、その時までにはSalesforceの開発者講習を終えている予定なのでもっと出来ること増えてるんじゃないかなと思っています。(海外子会社のデータどうやって管理しようかなとか、今のところ解決されていないハードルがそれなりにあるっていうね)

後やってみたいのはHubotとの連携です。slack上でbotに話しかける事で必要な情報を取得する事ができればかなり便利なんじゃないかなという気がしています。botに誰かのスケジュールが欲しいよと話しかけるとその日のスケジュールが返ってくるとか、取引先担当者の名前を入れると電話番号を返してくれるとかそんな感じ。

続きの話:Salesforceの導入から33ヶ月が経った導入担当CIO視点の話

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