一日目モジュール2:農業・農村の六次産業化とはなにか?

   

-- (1)農林水産省 総合食料局 食品産業企画課 齋藤敏明

食料自給率の話からスタート。
平成32年度目標で、カロリーベースで50%を目指す。現在40%。

戦後のライフスタイル(食料消費行動)の変化に、食品産業が付いて来なかったという面もある。

我が国の農業・農村が直面する現実
平成以降、消費者物価指数は横ばいだが、農産物物価指数は2割以上著しく低下している。
ここ5年、コメについては、生産コストが販売価格を上回る状態にある。
生産コストは農家の努力により15%低下(H2年→H18年)したが、農業生産額の現象は47%と、それを上回っている。

交差置く放棄地面積も右肩上がり。
就業人口の減少も著しい。
農業を主とする65際未満の農業者がいない水田集落は全国平均で52%!
中国四国にいたっては68%に達している。

じゃぁ、農家ってもはや要らないのか
農業の多面的機能
農業は、農作物の生産だけでなく、多面的な機能を持つ
  • 地下水を涵養する
  • 土壌崩壊を防止する
  • 洪水を防止する
  • 日本の原風景を保全する
  • 土壌侵略や流出を防止する
  • 文化を継承する
農業者への直接支払い
日本23%
EU78%
酷い差だなこれは。

食料をとりまく事情 世界の穀物需給動向
  • 海外に日本人が欲する食料が存在していて
  • 日本へ安定供給ができて
  • 日本の経済力でそれを買いあげることができる
これがないと、食料受給を海外に頼るのは危険。

農商工連携との違い
農商工の目的:中小企業者の経営向上及び農林漁業者の経営改善
中小企業者・農林漁業者両者の経営改善が図られるのが農商工連携
六次産業化:農林漁業者等が単独でやることが可能。
手続きが緩和される(農地法の転用手続きの簡素化など)。
六次化の中に農商工が含まれる感じ。
結局のところ、現場に伝える言葉として良いものが見当たらない。

六次産業の類型
  • 農林水産物等
  • バイオマス等地域資源
  • 農山漁村の風景・環境:観光、教育・学習、健康・癒し
六次産業化の想定事例
今までと違った売り方について助成される。
加工販売、直売所の設置等?そんなんでいいという訳ではないので注意。

六次産業化法概要
一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合定期かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す六次産業化の取り組み

支援対象の要件
農林漁業者等が事業者であること。
新たな商品の開発
新たな販売方法の確立
及びそれを設置するために必要な事

基本的な方向
農林漁業者等が自らの生産に関わる農林水産物の加工・販売に主体的に進出し経営を多角化・高度化する取り組みを促進。

経営改善の指標(制定予定事項)
1:農林水産物及び新商品の売上が、5年間で5%以上伸びること。
2:農林漁業及び関連事業の所得が向上し、かつ実施機関終了時点において売上高が経営費を上回っていること(農業事業全体として赤字事業になってしまってはダメよ

六次化プランナーはコンサルタントではない
立ち上げからフォローまでやることができる人材としている。
法的規制を理解し、法的緩和も理解し、それを運用できる人。
農林漁業者等のシーズを見つけ出し、それを効果的に売れる形に加工することを提案し、売るための場をコーディネートする。

支援される内容
  • 支援事業体を各都道府県に1団体ずつ
  • 県にプランナーを4,5名
  • 日当2万円×最大月10日
  • 交通費(都道府県内に限られるか?)

六次産業化予算130億円(H23)
基幹対策(一番メインはこれ。農林漁業者自らの加工・販売分野への進出:100億)
六次産業化プランナーによる専門的アドバイス
・新商品の開発や販路開拓
加工、販売施設や農業用機械の整備
市場拡大(輸出が主)
資源活用

農林漁業者の課題
やる気はあるがノウハウが無い。支援措置・機関はあるらしいが誰に相談すれば良い?
新たな投資にはリスクも。どうすれば売れる商品が作れる?ブランド化ができるか??
それを解決するノウハウを持つのがプランナー。

脱線ーー内閣府のキャリアアップの中にも六次化プランナーを入れる
  1. 介護人材
  2. カーボンマネジメント
  3. そして六次化人材
ーーー
この時間により、六次産業化事業及び六次化人材についての概要が把握できた。
不明点は農政局へ。

おすすめ記事一覧

 - 六次化人材プロジェクト