一日目:モジュール3:農山漁村活性化に向けた様々な連携

   

-- (2)宇都宮大学農学部農業経済学科 守友裕一

×1+2+3=6
。1×2×3=6
一次産業が0になってしまったら、0×2×3=0
一次産業が無くなってしまってはゼロになってしまうよね。(のほうがいいじゃないという話)
*やわらかい話でスタート。

良い地域であるための7つの条件
  1. よい仕事の場を作ること
  2. よい居住環境を整えること
  3. よい文化を作り共有すること
  4. よい学びの場を作ること
  5. よい仲間がいること
  6. よい自然と風土を大切にすること
  7. よい行政があること
日本の土壌の中で生まれた「農村の文化」に学んで「都市の文化」をつくりだすという提起(1982or3)



現段階での内発提起発展論の特徴
「あるモノ探し、あるモノ活かし」
自分の足元を見ようじゃないか。
  1. 地域の固有の資源、技術、産業、文化をみつめ、それらを再評価して土台として活用している点
  2. そのための基板は、住民自らが学習し計画することであり、学習の機会が地域での人材輩出の文化的基礎になることを重視している点
  3. 地域にある第一次、第二次、第三次にわたる多様な産業を評価して、相互の連携と産業連関を重視している点。特に福祉的社会連関を視野に入れることも重要である点
  4. 地域の個性を基礎に、環境・生態系、福祉、暮らしやすさなどを総合的に考えている点
  5. 学習を基礎とした住民の主体的参加は、それぞれが潜在的能力を発揮し、人間発達、豊かさへの道であるということを考えている点

城下町の復活は何に起因するのか
通常、城下町は明治維新以降衰退して行ったが、そうでない地域もある。何故か。
様々な産業がミックスされている。
地元の技術者が流出せず、地元に残って付加価値の高いものを作り出した。

ひとつの産業に頼るわけではなく、複数の産業がミックスすることで地域が潤うのではないか。

地域住民の幸福感は何に起因するのか
地域での政治的な決定に主体的に関わること
なるほど。現代もそうあるのだろうか。

限界集落はあるところでいきなり分岐点がやってくるようだ
-- (3)臨界点までいくとどうにもならない。
人々が色んな役を兼務でなんとかなる時期から、ある日臨界点に達すると都市機能が劇的に低下する。
  1. 人の空洞化:過疎問題
  2. 土地の空洞化:中山間地域問題
  3. ムラの空洞化:限界集落問題
  4. 誇りの空洞化
じゃぁどうするの?
内発的発展を基礎とした再生のための4つの柱:場、主体、条件、時間
参加の場づくり、住民層参加の未知の追求
 中山間地域等直接支払い制度:全国の農山村
  農村の中で生産性を統一化するという制度。

トップダウンで、活躍の場を作るというのにも、結果は伴う事がある。
ボトムアップはどうだ。
-- (4)豊かさの再認識ということだろうか。
ファミレス、コンビニがある都市部より、田舎のほうが豊かな食生活が存在している。左写真参照。
蔵を見直す。
地域の財産を見直すことで、新しいものさしを作っていく。

といっても、それだけじゃ経済は動かない。どうするの?

飲食業の最終消費
  1. 生鮮品等:2割
  2. 加工品:5割
  3. 外食:3割

この2と3を、地域でいくらか出来ないだろうかというのが六次産業化の思想である。

事例:越後桑取谷 有縁の米 保険内容
  • 保険1:不作時の分配
  • 保険2:水源林用水
  • 保険3:有縁の野菜
  • 保険4:有縁の加工品
  • 保険5:子どもの学び
  • 保険6:祭り・地域行事(コミュニティへの参加)
  • 保険7:古民家宿泊
  • 保険8:まかない学校
  • 保険9:移住相談
  • 保険10:災害疎開
10kg9,000円にて。
米としては高い。
その分のValue。
多面的機能を合わせることで、3,000円の米を9,000円にできる(こともある)

活動の継続性をどうするか
  1. むらの伝統文化の継承から学ぶ
  2. 経済活動による継続性を担保する活動
1:むらの伝統文化の継承から学ぶ
・郷中教育:先輩が後輩を教える仕組み。
・青年の通過儀礼としての参加
・祭りの一部を変化させ現代的にして若者を引き込む:シンプルだけどいいと思う

2:経済活動による継続性を担保する活動
経済性を担保しないと持続性が出てこない。
ここが一番悩ましいと思うが、地域を守るという意識で行っていく組織(個人)も。

一戸一票から一個一票制へ。
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飛び飛びではありますが、そんな話でした。資料もりもりなので読み応えあり。
各地域のベストプラクティスに詳しい先生でした。
先生は、個別事例に詳しいのはわかるのだが、こういった地域経済学みたいな物が地域にどの程度貢献してきたのかが気になる。きっと育成してきた学生が各地域に散って活躍しているのだろうと思われる。
現状マイナスにある地域を、如何にしてプラスに転じていくか。
経済を回していくことのできるプロデューサー、地域とプロデューサーを支援するプランナーが活躍する場は全国にあるという事か。

結局のところ、経済が回らなければならない訳です。もっというとお金が回る地域を作るという事になる。前提として、地域の人だけではできませんよね、というのがあるので、そこに誰かが入ってきて地域にValueを付けていくという仕事が必要だということ。
Valueを付けても、売れなきゃしょうがないので広告ができるような能力を持つ人もいなきゃならないだろうな。

という訳で、本日の講義はここまで。レポート書かなきゃなっと。
参考書籍
農業の第6次産業化を目指す人づくり(1997)
地域に活力を生む農業の6次産業化(1998) 財団法人21世紀村づくり塾

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