手順をちょっと変えてあげるだけで、劇的に変化する世界観
ちょっとしたことから、今更「シェア」を読んでる。詳しい書評はまだ読み終わってないのでまた今度に譲るとして、タイトルのような話をしたいと思う。
冒頭もいいところなのだが、16ページにこんな事が書いてある
アメリカには現在2500のCSAプログラムーー利用者は、地域の農家に年初に一括して代金を払い、収穫期に毎週新鮮な産品を受け取るーーがある。
まぁたったこれだけ、ものすごくサラッと書いてあるんだけどここについてのお話。
先日行っていた六次化の研修の時にも度々話題に上がったのが、農家の自由度の無さに付いてだ。
彼らは、富に貧しいと言われることが多い。農業をやっていて、一番制約を受けるのが資金面だ。
何しろ元手が無いところから農業は始まる。(まぁそれも不思議な話なんだが、色んな人の話を聞く限りそんな印象を受ける。お金持ちが資金的に余裕があった中で農業をやっていますという話は、あるのかもしれないけどそもそも取り上げられにくいって言うことだったりしてねぇ?)
そこに対してJAは、お金を貸し付ける機能を持つ。
必見なのはその仕組だ。
作付け前には、もちろん資材等々書いこまなければならないので、農家はお金が必要になる。
JAは、とりあえず貸してくれるんですよ。
で、農作物が出来たところで精算していくわけです。
なんといっても、元手が不要です。お金は貸してくれるから。
でもその代わりにJAから高い値段で資材買ったりとか、まぁバーターで色々ごにょごにょあるんですね。
農家が色んな選択肢を持つには、とにかく資金面の強化が必要なんです。そんな話は、まぁ聞く話です。
で、さっきの話しに戻ります。
アメリカには現在2500のCSAプログラムーー利用者は、地域の農家に年初に一括して代金を払い、収穫期に毎週新鮮な産品を受け取るーーがある。
アメリカの話なので、日本と仕組みがどうなっているのかわからないですが、年初に一括して代金を払ってくれるような事があれば、農家は確実に助かります。
それによって、この農業という世界観が劇的に変わってしまうのです。
年初に資金がある。
資材はJA固定で買う必要はなくなり、安いものを選定できるようになる。
安いものを調達出来れば、浮いたお金を何がしかに投資することが出来、生産効率の上昇を見込むことが出来る。
生産効率が上昇すれば、更に資金面に余裕が出てくることは請け合いです。
これを起こしたのはたった一つのアクションです
農作物が出来ていない段階で、顧客がお金を農家に支払う
従来とは逆の流れになるわけです。
ただ、それだけで社会がうまく回っていく。
こう言う事って、色んな所にあるんだろうなぁ。
顧客が先行投資する事で、生産者が柵から解き放たれ、よりよいものを作っていく原動力になる。みたいなの。
例えば、漁業なんて、魚種によってはギャンブルもいいところだったりするわけじゃないですか。(まぐろの一本釣りとか)最近は、安愚楽牧場のように、牛に投資させるようなビジネスモデルを展開している畜産業者もあるんだけど(オーナー制度)、それを漁業でも出来たりしないかな。
採れるかわからないけど、採れたらでかいぜっていう漁業者が、一般の投資を募るみたいなの。なくはなさそうだなぁ。
って、雑談みたいな話ですいません。