非営利団体(NPO)と株式会社の違い:リバネス創業時を振り返って
2013/08/15
ちょっとリバネスの昔話が続いていますが(笑
まぁ、6/14が設立記念日ということでお許しください。
リバネスは設立当初教育の会社で売ってましたから、色んな人にこう言われたものです。
「なんで非営利組織じゃなくて有限会社にしたの?」
もうね、僕はこのキーワード大っきらいな訳ですけど。
教育ってそもそも、利潤を出しちゃダメな聖域だよねって思っている人が多いという表れでもあったと思うんです。
え?だって教育事業でしょ?
NPOでやればいいじゃん。みたいな雰囲気をかもし出してくる人がたくさんいたような気がします。
リバネスがNPOを選ばなかった理由
世間的には、教育現場は聖域でしたし、そこから利潤を得るという事はタブーだった時代だと思います。
ただ、リバネスはそれを選びませんでした。というより、はなっからそんな事考えてなかった。
それは何故かって
100年以上続く組織を作りたいから
それに尽きます。
教育って、個人に対してものすごいウェートがかかります。
人生がそれによって決まったりもするわけです。
ぽっと出のベンチャー企業が、調子のいいことを言って煽って、どんどん仕事を受注して、数年後に潰れました。みたいな組織には絶対にしたくなかった。
当然、当時リバネスは色んな所(公共なひとたち)に煙たがられていたように思います。
(そりゃ、いきなりどこの馬の骨かもわからないような若者が、俺達はこうやる!とかいって今まで聖域であった教育現場にあがってきたら、なんだこいつらってなりますよね)
教育という原点に戻ると、短期的な組織にする事は出来なかったんですね。
100年後も残っている組織とは?
そうなると、当時僕らが考えていたNPOという組織形態では、無理だなと思ったわけです。
(完全にNPOを勘違いしていたんですけど)
補助金に頼ったり、色んなコネを通してまずは組織を立ち上げるけど、補助金なくなったら終わっちゃうような組織運営はまっぴらごめんだよと思っていた感はあります。ホントごめんなさい。
僕らは、きちんと自分達の事業を世に問い、そこからきちんと対価としてお金を頂く事業をやっていこう。そんな形でNPOではなく、有限会社を選んだのでした。
ただここで思うんだけど、NPOってそういう事じゃないよねって話。
ここからが本題です。
非営利組織(NPO)と営利組織って何が違うの?
当時思っていたNPO像って、利益を出しちゃいけない組織だろ?
ってことはなにか、みんな無償奉仕で、キラキラした目で頑張るようなひとだけを集めて、労働力搾取しながらちょろっと仕事するような感じか?
みたいな勝手な思い込みがあった訳ですけど(ほんと失礼な話)
そんな訳ないですよね。(と、いいつつこんな話もあるんだけど)
NPOの人だって、何かやりたいことがあって、活動しているわけです。
そして、その活動を持続的に、且つ拡大していくことで世間にバリューを提供できると思っているはずです。
そう考えたら、職場環境を真っ当にしなければならないし、優秀なスタッフには当然それなりの給与を支払いながら組織を継続させざるを得ない。
善意の持ち出しで継続しうる組織(や活動)なんてありゃしないんですよ。
で、結局NPOと営利組織の違いは何かというと
簡単に言うと、『儲かるか儲からないか』ということではなく、例えば、『環境保護に全力を尽くす』とか『高齢者のケアをきちんとやりたい』というような『社会的使命』を営利よりも優先させて活動する組織がNPO法人なのです。
まぁ、この部分は微妙なラインだけど。
NPO法人は、たとえ、売上高から経費を差し引き、利益がでたとしても、その利益を会費を支払った方(会員)や寄付をされた方に分配することはできません。このような配当金を法律上出すことができない法人を「非営利法人」と呼びます。NPO法人は特定非営利活動促進法という法律にて利益の分配を行うことが禁じられていますので、「非営利法人」に属することになります。
(via NPO法人と会社の違い)
つまり、営利組織は出資者に利益分配ができるが、非営利組織はそれができない。という事になるという事だったんですね。
ああ、すっきりした。
という訳で、非営利組織だって、ちゃんと事業をやって対価を得て良いわけです。
ただ、利益分配の形が違うだけ。
継続するにはちゃんと事業を行い、対価を得ながら活動を拡大していくことが求められるということについては、営利組織となんらかわりはしません。
じゃぁ、今考えてリバネスをNPOにしただろうか
というと、そんな事はないだろうなぁ。
僕らの出資者は、僕ら自身です。
つまり、同じ夢を見て出資してくれた学生・親等で成り立っているのがリバネスです。
当初360万円だった資本金も、4600万円まで膨れましたが、仲間以外の出資は1円も入っていない。
ここまで育ててくれた人たちに、報いることもリバネスの使命ですから。
きちんと利益も分配するという組織にしただろうなと思うわけです。
昔話は小っ恥ずかしいので夜中に投稿する癖がついているGeorgeでした。
それではおやすみなさい。