SMBC日興証券のCRMの取り組みにインスパイアという話

   

crm-1

先日、日本サブウェイさんと一緒に、2011 CRMベストプラクティス賞の授賞式に出席してきました。経緯などはこちらを参照のこと。
来週はおめでたい感じが続きます:グッドデザイン賞・CRMベストプラクティス賞 

出席してみると、今年のCRMの取り組みのベストプラクティスをプレゼンで共有するという、とても有意義な会になっておりまして、正直さほど期待はしていなかったのですが、素晴らしく濃密な時間を過ごさせて頂きました。


SMBC日興証券の取り組みとは?
彼らは、(おそらく莫大なお金を投じて)自分達の売上高は、営業マンが顧客と会っている時間の多寡に左右されているということに気付きます。
そこで、営業マンが確実に稼働出来る体制を作ることを目指して10年間行動をしてきました。
端的に言うと、コンタクトセンターというCRM実践の核とも言える組織を作り上げます。

コンタクトセンターの役割とは?
彼らがやることは、顧客へのアポ取り、メルマガ発行や定期的な連絡。フォローと言ったもの。
彼らの定義によれば、優秀な営業マンほどたくさんの人と多くの時間を過ごしています。しかしこれには矛盾が生じる訳です。お客様に会ってる時間が100%に近づけば近づくほど、アポ取りや、不意に届く顧客からの連絡を受ける時間がなくなっていきます。
結果として、天井が、本来達成できる金額より低く設定されてしまう。
これを解決するのがコンタクトセンターです。

脅威の顧客フォロー率
正確な数値は忘れましたが、95%以上の顧客がフォローできていたと思います。ほとんど全部といって良いでしょう。
今までのアクションは全て、全員が共有するDBにまとめられ、次のアクションのタイミングをはじき出します。何らかの事情で、現場の営業マンが対応出来なかったとしてもコンタクトセンターがその役割を担うのです。 

コンタクトセンターを担う人材とは?
いわば、司令塔とも言えるコンタクトセンター。
リバネスに落としこむとどうなるかを考えると、多様なサービスとサービスを組み合わせ、その相乗効果を考えられるような人材ということになります。
将来的に育てなきゃならない人材だなとは思うものの、ぱっと社員でそれが出来るやつがいるかを考えると、厳しいなというのが印象です。

気付き
これは面白いなと思ったのですが、彼らのようなバリバリの営業職という言葉が合っても不思議な会社組織にもかかわらず、営業マンがアポを取るという作業に非常に多くのリソースを持っていかれるという事を話していたのが印象的でした。
リバネスはそもそも営業に特化した人間はいません。
営業マンを雇うというつもりも無い会社です。そんな会社形態を取るのであれば、おそらく証券マンよりアポが取れないということは、ある種しょうがないこととも言えるでしょう。
もはやこれは仕組みで解決していくしか無い課題なんだと認識を新たにしました。

営業:実務 最高にハッピーな環境ってどこだろう
リバネスのモットーは「科学技術の発展と地球貢献を実現する」です。 
お客様と共に、クオリティの高い創造物を作り上げ、世界を変えていくのがミッションだと言っても過言ではありません。
ただし、現実的な話をすれば、仕事は営業活動なしで十分と言えるほどやってくる状態でも、そんな知名度もありません。これはまだまだ時間がかかるでしょう。
つまり、営業も実務も両方やっていくという事になるわけです。
そして、SMBC日興証券の結果を見れば、売上高は営業時間に左右される。
なんとなくですが、リバネスも証券会社のスタイルに似ているような部分もあり、ある程度の範囲でこれは適用できるはずです。
はてさて、落とし所はどのくらいの場所にあるのでしょうか。

一つの仕組みづくり
とはいえ、彼らが10年かかって作り上げ、結果を出してきた体制をいきなり真似ることは不可能です。徐々にやっていかなければならない。
リバネスはバックオフィスを除いて全員が理系出身者の修士以上の人材です。営業畑とかそういう話はありませんし、みんなで営業し、仕事をとり、そして自分達の頭を動かすことで、新しい取り組みを社会にはなっていく。そんな会社です。
DBの構築や、リソース管理というものは、徐々にやっていかなければならないんだろうなと思いながら一つの仕組みを提案してみました。

まずは、全てのアクションのDBを作り、誰もがそれにアクセスできる事
やったことはシンプルなもんです。
リバネスではGoogleAppsを活用していますが、Appsを使い、ひとつのメーリングリストを作りました。ここに、社外の方に会った報告を、メールでみんなが投げるのです。
携帯からでも良い。移動中にパパっとやれちゃうことを先ずはやってみようということにしました。

Gmail便利!
なぜかというと、ひとつのMLがあればすぐに一覧を取得できます。
メールのタイトルには、クライアントの名前を入れることにしました。
こうすることで、ML名+クライアント名で検索すれば今までのアクションがすべてわかるようになります。
コンタクトセンターみたいな人も、例えば会ってから一ヶ月経ったクライアントには必ずメールを送るというミッションが発生したとすれば、ML名+一ヶ月前の日付でフィルタしてやれば、その日何が起こったのかを把握することが簡単に可能です。

ベンチャー企業に求められるのは
柔軟な発想力で、最大限ツールを使い倒すこと。
これに尽きると思います。 
今回の取り組みが成功するか否かはわかりません。
ただ、全社会議でシェアしてみれば、これならやれるかなという雰囲気になった様に見えました。
仕組みは、それのみでは何の意味も有りません。
それを実装し、活用し、フィードバックを挙げて改善していく。
そういうフローを回していく。
リバネスは来年で設立から10年が経ちます。
よりよいアウトプットをしていくためにも、中の効率化というのは大きなテーマだなと思って取り組んでいる訳です。

おすすめ記事一覧

 - リバネスのお仕事