権限委譲を進めつつある組織の中で物事をスムーズに進めるために必要なこと
背景
弊社リバネスは50数名程度の組織になっている。
事業部という縦型組織がいくつか存在しており、事業部をまたいだ横串のグループもまた存在している。グリッド型の組織だ。
これまでは、全ての案件が一人の頭の中に入ってしまう状態ではあったが、この数年でその前提は崩れてきており、全てを頭に収めて仕事に挑むということが難しくなってきた。そこで、様々な機能について幾つかの組織に権限を移譲し、より活性の高いトライ・アンド・エラーが行われるようにということが実行されつつある。
課題
決定権が分散されるようになったとは言え、それを共有する場というのは随所に出てくる。共有が上手な人と、共有が下手な人では物事をスムーズに進むかどうかに雲泥の差があるということがだんだんと見えてきた。今回はその点について考えてみたい。
例えば、ある組織Aが議論を重ねたBについて、担当者Cが発表をするとする。発表の現場には、直接的にそのことについて知らなかった人も混ざっており、担当組織Aのメンバーが議論をしてきたBについて初耳という事もある。
こういった場合に、色々な前提条件を開示しないままにやってきたことを担当者Cが発表したとすると、気に入らなかったり実際にその案に穴があったりといったことで現場が紛糾し、最悪の場合0から議論をやり直す必要性にかられるという事が発生する。
なぜこういうことが発生するのだろうか
これは、双方共に見落としている事がある。端的に言えば、相手のことを考えていないに尽きるのだが、これはスケールしていくにあたり発生するのは仕方のないことだろうとは思う。
議論や決議というのは、持っていく側が工夫をしていくべきであるだろうと思うので、持っていく側にフォーカスして話をする。
決議を進められない人の課題は何か
一番のハードルになるのは、前提条件を説明しないで本題に入ることだろう。
今まで誰がそこに関わっていて、なぜそのような結果になったのかということの説明を端折って本論のみを説明しようとすると、バックグラウンドを理解しない聴衆は理解が出来ない。理解が出来ないので、同じ議論を繰り返すことになってしまう。
- いつ・どこで・だれが・どんな理由で検討をはじめたのか
- 問題提起から、その時点までの結論に至るプロセスはどうなっていたのか
- 現時点で確定してよいのか、それとももっとブラッシュアップすべきなのか
- 発表を受けて聴衆に求めることは何か
こういうことを踏まえた発表が出来ない場合に、物事は進まない。
人数が増えていくと、「決定」と言いにくくなってしまうのか
人数が増えていくとスピード感が失われると言われる。
小さな組織であれば、代表が一言決定と言えば済んでしまうからだろう。
では、この決定についてどうしていくのが良いだろうか。どんなに人数が増えても代表が決定を言い続ける必要があるのか。
その辺は組織によるだろうとは思うが、リバネスで言えば恐らく代表が決定を言い続けられる事を追求するだろう。
権限の移譲はどんどんすれば良いと思うが、風通しが悪いのはダメだ。スムーズに多くの人が理解できる情報共有方法というのは、今後のリバネスにとって大事なスキルになってくるだろうと思う。ただ、それはあまり特別なことでもなくて、自分がその発表を0から聞いたとして、何を求められているかについて答えられるかどうか自問するだけで得られるのではないだろうか。
スキルアップのために
自分自身はCIOということで、情報周り一般が仕事の範疇なのだが、そこでやっていることはこれだ。
・書類一枚で如何に相手を納得させるか
自分がやってほしいことというのはあっても、自分がその決定機関に属していないということは往々にしてある。そういった場合には要望書を作成して議論してもらうことにしている。
会議の中で質問があがらずに、代理人によって要求が通れば成功だ。
リバネスには人種国籍の壁など無い。これからますます色々なバックグラウンドを持った人が組織にジョインしてくるだろう。
そんな中で、出来る限りスムーズに仕事を進めようと思ったら、やっぱりそこには工夫が必要なのだろうと思う。
今のところ個人的なノウハウではあるけれども、議論開始時のテンプレになるくらいになったら、うまいことシステム化出来ないかなとは思っている。
プログラムのインストールが終わらないので書いてみたのにまだ終わらないっていう地獄(´・ω・`)