Salesforceの導入から9ヶ月が経った導入担当CIO視点の話

      2014/12/26

リバネスも設立から12年が経ち、社員が増えると、日々の案件も増えていきます。

目の前の仕事をただただこなしていけば良かったあの頃(遠い目)

今では、全社を事業部で分割しても、事業部長が全てを抜けもれなく把握しているという事が難しいという状況です。

数字を取りまとめ、事業の進捗を把握するというのは、目の前の仕事に全力投球してしまうとできなくなってしまうので、必然的にそのための時間の確保が必要となってしまいます。

でも、取りまとめの時間って出来る限り減らしたいじゃないですか。だって、生産性無いですもの

そんな事を考えていた昨年末に、Salesforceの導入を決めたんですよね。きっかけは、とあるブログ記事だったと思います。

Googleスプレッドシートでの管理はもう限界

案件名と提案金額をスプレッドシートに集めていけばよかったのはもう昔。

案件数が増えていくと、抜け漏れが発生し ている事にも気付けず、取りこぼしがポツポツ発生しはじめます。

Googleスプレッドシートに投入するというのは簡単なのですが、何かの承認機構と連動しているわけではないので、各個人の意識で制御せざるを得ません。稟議の仕組みがハードルになっていて、そこにデータが入っていないとお金が使えないという仕組みを通っていれば、たいていの商談でチェック機構とデータ化が成されるのですが、スプレッドシート管理ですと難しい。

Salesforceで我々がやりたかった事はこの取りこぼしを失くすことです。

長いので先に結果から書きましょう。

商談の取りこぼしは失くすことが出来ました

提案中だったり、過去にアクションしたものについては、全てがデータ化されるようになりました。

それによって、提案日数が長くなったものについてはレポートで挙げる事ができます。把握は遥かに楽になりました。これは良い。

数字も、基本的にはSF上に追加開発したプログラムで請求書を出すことにしているので、必要なものはここに必ず入るようになります。

当初の目標は達成出来た。ヒャッホウ!!

Salesforceは、動き出した商談の動きを止めない為のツールです。あらゆる取り引きの揺りかごから墓場までをトレースする為のツールだと言えるでしょう。営業数や進行中のプロジェクト数が多くなるような企業にはオススメ出来ると思います。

逆に、年間で取り扱う商談数がさほど多くない会社には必要性があまりないかもしれません。

便利な点

1:商談トラッキングが超絶楽

データが登録されていれば、トラッキングが自動で出来ます。これは楽。

何が動いていないのかが一目瞭然です。本当に楽。

何を動かす必要があるのかが一目瞭然です。

2:使われない営業報告データベースからの脱却

営業報告を取引先や取引先担当者、稼働中の商談に登録するようにしておけば、過去に何が起こったのかも一目瞭然です。便利。

今まではGoogleフォームに登録して、MLに転送していたのですが、Twitterよろしく情報は流れていってしまうんですよね。

SFに登録しておけば、SFで検索することで過去のアクションから何からが分かるようになります。便利。

3:何がどれだけ売れたのかを把握するのは簡単

今まで弊社では、どの事業部がどれだけ請求書を発行したかで成績をカウントしていたのですが、一枚の請求書に複数の事業部のサービスが入ることがありイマイチ何が売れたのかを把握することが出来ていませんでした。

商品がどれだけ売れているのかをデータとして持っているので、どの事業部のどんなサービスが売れたのかを把握することが出来るようになりました。

これは便利だなと思います。まぁそれはSalesforce使ってなくても、DBの作り方でなんとでもなるとは思いますが。

4:プレミアサクセスプランの対応力凄い

サポートプランの名前なんですけど、これ、初期は入ったほうが良いと思います。

サポートのスピード感が素晴らしいですし、丁寧に対応してくれます。

最初はわからないことが多いですし、多少値ははりますが、入っておいて損はないでしょう。

ただし、使い倒してくださいね。どんなつまらないことでも聞きまくるのです。これがSalesforce活用の秘訣ですよ。

5:レポート作成の手間が無くなる

基本的には、今までやってきた活動が全てということになりますので、それを改めてまとめるという手間がなくなります。

というか、それが無くなるようなレポートを設計するのです。

どうやったら、日々やらなければならないこと"のみ"で必要な情報を得ることが出来るかを考えてレポートを設計する。

あとで、手作業でデータを取ってきて入れ込んでレポートにまとめるということから解放される清々しさが分かりますか?

これが一番ですね。

 

導入した!しかし…すごく大変でした

何しろ、やっと使い方がわかってきたなという感じですから。。。使い倒そうとすると、それなりの覚悟が必要だと思います。

ホント、何時間これに費やしたのだろうという感じ。最初は右も左も分からない所からのスタートになりますしね。

以下は、こうやっておけばよかったのに…を書きます

1:もっと早くに導入すべきだった

売上データとか、スプレッドシート管理だったので名寄せが出来ていませんでした。

今までその会社にどれだけの仕事を提供したのかについて、ぽん!とデータが出てこないんですよ。これが死ねます。

最初からツールを使って名寄せをしておくべきでした。BtoBが大半なので企業の名前が情報として取得されるのですが、その名寄せにものすごい時間と僕へのストレスがかかる事になります。

導入から数ヶ月はDBのクリーニングに費やされます。使えるDBにする為にもこれは念入りにやるべきでしょう。バイト雇ってやらせるという手もあるのですが、結局何が正しいのかのディシジョンが出来る人の手を煩わせずには出来ないと思います。

2:承認フローの設計はもっと後で良かった

ツールを手に入れると、全てをシステマティックにやりたくなる所なのですが、出来る限り設計は後の方が良いと思います。

まずはSalesforceというツールの使い方を覚えなくてはなりません。

商談に承認フローを導入して、これをクリアしてないとxxxxが出来ないっていうルールはいくらでも作ることが出来るのですが、そんなのは最初っから何段も設定すべきではありませんでした。

強いて言うなら

  • 稟議書の承認
  • 代表印使用の承認

の2つだけで良いと思います。そんなものでスタートすべきでした。

何故ってエラー画面が不親切なんですよね。何が原因でエラーが出ているのかは、ちゃんとエラーの設定をしてあげないと出ませんし、それをやるにはスキルが必要です。

3:Salesforceを使わない商談の管理を徹底すべきだった

先ほど書いたとおり、現在リバネスの請求書はSalesforceを使わないと出力が出来ません。
新しいツール導入初期はどうしてもSalesforceの内側にばっかり意識が向きがちですが、業務フロー上どうしてもSFで対応できないという事が発生します。

これを出来る限り早くパターン化し、情報のロスが起きない仕組みを作るべきでした。

月次で情報を集約し、SFに数字を登録するという仕組みをきっちり作って徹底させるべきでした。

それをやらなかったお陰でこの1週間過去のデータを見直すという苦行に見舞われています。

4:売上金額管理用レポート作りに注力すべきだった

導入当初は、さほどデータもないもので、出力すべきものが無いんですね。

ただ、だんだんと溜まってくると、そこでレポートの出力方法に頭をつかうことになります。

税込・税抜価格がどのように格納されているのか

どんなカテゴリの商材が売れているのか

などなど、組織に寄ってまとめたい情報に違いはあれど、それを適切にレポーティングするには、コツが必要です。

自分が欲しい情報が、今の情報投入方法でちゃんと得られるのかについては、レポートを作ってみないとわかりません。

最初からガンガンレポートを作ってみるべきでした。

お陰で、素直に数字が出てこないので数式で色々と工夫する羽目になりました。これはもはや将来的に引きずるしかありませんね。

そんな所です

残念な点

当然ツールですから残念な点もあるものです。そんな話。

1:承認の通知がしょぼい

モバイルアプリのSalesforce1というものがあるのですが、承認の通知に、どの商談の通知なのかのアラートが現れず、なんの承認なのかわからねーよ!ってなります。サポートに連絡した所、何故かそんな基本的なものが課題として継続調査中だそうで、なんなの・・・という感じ。改善待ってる所です。

2:Googleカレンダー連携が出来ない

昔はできてたっぽいんだけどな〜。

専用のツールを導入しないと出来ません。泣ける。

同期出来れば、社員全ての行動予定をレポート出力することが簡単に出来るのにな〜。GoogleAppsとの連携強化をお願いしたい。

3:レポートも万能ではない

レポートの作り方はコツが要りますし、勘所を押さえないと効率よく作ることが出来ないでしょう。

最初の内は、とにかく沢山のレポートを創りださざるを得ず、多すぎて逆に必要なレポートを見失うなんてことが起こりえます。

いざ、これがほしい!と思っても、実はそのデータはリレーションがはられてないので出来ないんです…みたいなこともあります。

万能じゃないんだな。この辺を解決してくれるサービスを提供している会社もあります。

 便利なアドオンあるよね

1:チームスピリットいいね

経費精算がとにかく面倒だと思います。交通費の精算とか怠すぎるのですが、チームスピリットはいいですよ。

経費精算だけのために導入してもPayすると思います。駅の名前を入れて、駅探検索ボタンを押せば金額を弾いてくれます。

定期区間であれば、自動的に計算してくれますし、本当に便利。

9ヶ月が経った私からのレポートはこんな感じです。

やっと、次のアクションが視野に入ってきました。

ツールは使い倒してなんぼですが、使い倒した先には、次にやりたいことが出てくるものですね。

セールスフォース導入のコンサルティングはやっていませんが、何かのついでに聞いていただくのは構いませんよ。初期導入の伴走者的な事は出来ると思います。

 

続きは恐らく次のステップを実行したら書くと思います。お楽しみに〜

ということで続きの話はこれ

Salesforceの導入から11ヶ月が経った導入担当CIO視点の話 | いつか創造される何かは、今想像出来る未来 @geeorgey 吉田丈治

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