エネルギー論争についての面白い考え方:エネルギー論争の盲点
chikirinブログみて買ってみたんだけど、面白かったので紹介。
夏もピークを超え、電力に関しては若干感心が低下してる気がする今日この頃ですが、冬の暖房需要を前にきっと電力について再燃すると思うのでその前にまとめておこうと思う。
概要についてはチキリンブログで見ればいいと思う。
この本で面白かった点は、「エネルギーとは何か」という、そもそも論から論述が始まる所。
エネルギー≠電力
エネルギーってそもそも何だというのは、身近にある熱エネルギーだったり、エンジンであればガソリンの燃焼エネルギーだったり、 鋳造するには膨大な熱量が必要だったり、何を作るにしてもエネルギーを投入することが必要になる。
電力という形になっているエネルギーは、地球上で使われているエネルギーの一部でしかないと言うことはなんとなくイメージが沸くだろうか。
そのエネルギーが不足すると何が起きるか。
単純に、今の文明を維持できなくなる。
ものの生産ができなくなるし、熱源を発生させることができなくなれば、寒冷地では死人が出る。ものの流通が滞れば・・・ と、破綻するものは枚挙に暇がない。
これらエネルギーのうちのほとんどは、現在化石燃料に頼っている。
これらのエネルギーが人類に恩恵をもたらし、人口を爆発させてきた。
エネルギー効率が悪かった産業革命以前は、人口増は微々たるものだったことからも明白だ。この点も改めて考えてみればそりゃそうだと思う部分だが、面白い視点だなと思った。
逆に言えば、エネルギー効率が下がり、維持すべきエネルギー量が確保できなくなった時に何が起こるかというと、人口が減らざるをえないということになる。
日本で電力というのは総エネルギーの25%
震災後、電力がピンチだ!という報道ばかりが目立っていたので、そこに目が行っていたのは僕だけじゃないとは思うんだけど、電力ってそんなもんなんですね。
自然エネルギーで代替していかないと未来はないぞ!みたいな話を良く見かけましたが、仮に電気を100%自然エネルギー化出来たとしても、あんまり意味がないんだよねという話になってしまうようだ。
木を見て森を見ず
にならないように、個人的にはエネルギーを語る場合に、この辺の視点は必要だなと思った次第です。
「エネルギーの専門家」が、何をどう考えているのかという事が詰まった一冊。一読してみたら良いのではないでしょうか。